芸術立国論

現代日本演劇界、舞台界で知らない人はいない、平田オリザ氏の2001年に発行された書籍である。

芸術と社会、芸術の社会性、社会における芸術の位置付けについて、そして芸術が消費社会化した日本が成熟化していくには必要であり、成熟化を進めるためには、芸術が起爆剤となる…うんぬんとザックリと言うとそんな感じの内容の本である。

その中で凄くいいアイディアが「芸術保険制度」。
国民健康保険の健康が芸術に取り変わったと考えてもらえればいいです。
医者が芸術家で、患者が観客ということで置換えて貰えたら想像しやすいかと思います。

(詳細は、本書をお読み下さい)

これは芸術家にしたら夢のように素晴らしい制度です。


で、そこで一番の問題が、芸術が国民一人一人にとって重要であり、ひいては生活向上、教育、人生に深く関わるものであるかどうか、その価値があるかどうかを感じ取ってもらう事がキーとなるのです。

端的に言えば、近年健康ブームですが、健康と言う観念と同等までは行かないにしても、健康≒芸術という価値認識が形成出来るかということ。
要は生死に関わる一つのファクターと成り得る程のところまでの価値があると言う認識が成されるかと言う事なんですが、みなさんどう感じるでしょうか?


芸術としての立場から言えば、勿論その価値はあると断言させてもらいます。

が、これは、凄く永い眼でみて頂く必要がありますし、広い視野でみて頂かない事には何とも難しい。

これだけ、スピーディーに成って来た現代に、この事を理解頂くのは、本当に難儀でありますが、一部の地域社会では、これらの事を理解して、芸術に価値を見出だし、活発に活動されている自治体も少なくありません。

つい最近私の書いたBlogの「やねだん」と言う自治体はその一つの良い例であります。



そして、この「芸術立国論」が出版されたのは、2001年。
今は2010年。 ほぼ10年間の月日が流れるも、まだまだこの様な話題に触れている人も少ないように感じる中、やはりとても時間のかかる問題であることは間違いないでしょう。

インスタント的な打開策を求められる世の中で、今後このような発想が、埋没して行かないかと、どうしても危惧されます。

私自身もやはり、インスタント的な発想になる傾向があるので、尚更です。



長々と書きましたが、とにかく私サイドは、より質の高い舞台を作り上げることに精力を注ぐ事が大前提なので、その役目をしっかりと果たして行く所存です。






しかし、芸術とかアートと言う言葉が、何だか容易に氾濫しているように思っていることを、これを書きながら思い出してました。


まだ、この本を全部読み切ってないので、また読み切って、何か出て来たら、追記します。



もし、少しでも興味ありましたら、読んでみて下さい。

「芸術立国論」
著者:平田オリザ
(集英社新書)



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プロフィール

Yasuchika

Author:Yasuchika
YASUCHIKA
舞踊家・俳優(+生躰研究家)


1999年より俳優を始め、2003年より踊り始め、2004年より、死んだら消える文化的かつ野性の身体観、生命観を学び始め、そのチカラを基とし、また蘇生させることを伴いつつ芸術表現へと転化させている。
2009年パフォーマンスグループKIUNJI(キウンジ)を立ち上げる。(2014 年より芸術企画として活動)
また2013 年より生躰研究家として「生きてるってどういうこと?」(=生因)や響命する身体を軸とし、身の持つ自然のチカラを活性させるワークショップや稽古会を行っている。
2017年9月舞踊家としての生前葬をソロ公演で行い、YASUCHIKAと改名し新たなスタートを切る。
また生躰研究家 金野泰史として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、舞踊家・俳優 YASUCHIKA、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


生躰研究家 金野泰史 稽古会 WorkShop(or lesson )案内はこちら


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