「祝水」メモ 2



「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」
九世英雄

地に沁みないのか?
その水は
待てないのか?
沁みるまで
沁みる地をなくしたか?
アスファルトに覆われて
沁み尽きぬか?
湧き出ずるまで


巡る命を止める文明
シミュラークルに阻まれて
渇いた心は帰郷をもとめ彷徨える

Blue gold、Water War
虚無の数字をあてがわれ
人の命を省みず
水が売買されている

命の水は誰のもの?
水の命は誰のもの?

近年頻繁に起きている
世界各地の大規模な洪水、干ばつ

水の神が溢れて消えて
おおくの命を飲み込んで
おおくの命を巡らして


洗面所の蛇口を
ひねる
右回り

水が出る
とどまることなく
水が出る
今は飲まない
水が出る

雨が降る
穢れを流す雨が降る
恵もたらす雨が降る
溜めて飲めない雨が降る


「水は決して汚れない」
ただ、含むだけ
人の穢れ含むだけ
全ての記憶を含むだけ

地に住む
数多の生命が
世界の穢れを引き受けて
原始に還す
水の源

水の命は誰のもの?
命の水は誰のもの?



世界を映した水滴が
蛇口から一滴
零れ落ちる

水の音が
身に響く
波紋広がり
身に沁みる

過去も未来も洗われて
ただ今ここの
命湧く
すくった水の
姿なさ
二度とすくえぬ同じ水



予感する
期待せずに
耳澄ます

振り返る
水の音

蛇口を
ひねる
左回り






《地脈》


一滴のはじまり

はじまりの一滴

一滴の水

一滴の命

一滴の雨

一滴の血

一滴の死

一滴の川

一滴の悲劇

一滴の海

一滴の憤怒

一滴の波紋

一滴の歓喜

一滴の音

一滴の愉楽

一滴の惑星

一滴のひとり


それは
降り続けている
したたり続けている
流れ続けている
姿なき一滴


生きつもどりつ
逝きつもどりつ

雫へ溜まり
雫に堕ちる


水を飲む
純も不純も
混じることなく
分かつことなく
咽喉降りて
しみじみる

数量化されずに一滴
個体化されずに一滴

地にしたたり
地からしたたり

湧き上がる一滴に幾千幾万の時流は巡り恵まれ
ぽつぽたり

潤える身に
潤える心

垂れる一滴
芳しく
地に沁み入りて
行き渡り
天地繋げし
脈々と
目から零れる
一滴の
同じ水にて
巡ります
不可視の地にて
巡ります






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プロフィール

Yasuchika

Author:Yasuchika
YASUCHIKA
舞踊家・俳優(+生躰研究家)


1999年より俳優を始め、2003年より踊り始め、2004年より、死んだら消える文化的かつ野性の身体観、生命観を学び始め、そのチカラを基とし、また蘇生させることを伴いつつ芸術表現へと転化させている。
2009年パフォーマンスグループKIUNJI(キウンジ)を立ち上げる。(2014 年より芸術企画として活動)
また2013 年より生躰研究家として「生きてるってどういうこと?」(=生因)や響命する身体を軸とし、身の持つ自然のチカラを活性させるワークショップや稽古会を行っている。
2017年9月舞踊家としての生前葬をソロ公演で行い、YASUCHIKAと改名し新たなスタートを切る。
また生躰研究家 金野泰史として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、舞踊家・俳優 YASUCHIKA、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


生躰研究家 金野泰史 稽古会 WorkShop(or lesson )案内はこちら


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