身体の隠喩


「風水」について面白い話を知る。

道教と密接に関わり発展した中国の「経絡」や「経穴」(ツボ)といった身体論と、「風水」という風と水の流路を認識し、その中心部に「穴」という気のたまり場を見出す地理学は、身体を観察して「経穴」(ツボ)に針を刺す行為と、環境を調査して「穴」の部分に人工的な建造物を建て、水や風の流れをよくする行為とで、基本的に同じ行為ということで、パラレルな関係とのことなのだ。

それは身体からその家、その場所、地形、さらには占星術的な文脈での宇宙観に至るまで、一貫した一つの流れとして捉えている世界観だ。
「風水」はフラクタルに環境世界と身体世界を互いに投影し合っているものだということだ。

その証拠に、身体の「経脈」というツボ(穴)が並んでいる気の流路があるが、その名称に地形や地理に関わる名称がかなり多くあるらしく、実際の地名などもあるようだ。

「身体の隠喩」・・・(上手いこと言うな~)
世界の宇宙的な広がりから、身の周りの細部にいたるまで、身体の「気の流れ」を投影している世界観。 これは西欧的な客観主義、または現代科学的世界観とは大きく異なる。なぜなら客観主義は、身体と環境世界を無関係な存在とすることを基礎として出発しているからである。

とはいっても既に量子力学の世界で、環境世界が人間の観測行為によって影響を受け、確率論的にしか表記できないというパラドックスを生んでいるが、しかし今だこの主客の相互作用は、現代科学の「客観主義」に大きく営業を与えていないようで、残念な話である。




「風水:というと「気の流れ」というような「気」という「何だか分からない」と認識されるものが登場してくるのだが、「身体の隠喩」という世界観で考えてみれば、都市のインフラを考えてみて欲しい。 

水系で考えれば、大雨が降ったとき、下水道が上手く機能しなければ、床上浸水とかになるし、道路で考えれば、渋滞ですわな。 
要は流れが滞ると、不都合が生じるわけで、被害が出るわけだ。 
都市というのは、人が動かなければ機能しないわけで、人が動くことによって、エネルギーが生まれ、また消費される。
自然現象の水で言えば、水が流れることによってエネルギーが作られるし、流れも出来るわけだ。 

そのエネルギーや、流れというものが、中国の身体観における「気」というわけで、それは何だか分からない「気」というものだけでなく、身体で言えば、血流や消化器官の活動とも言えるわけで、総合的に捉えてもいいかと思う。 
それで、都市における人を、身体の隠喩で言うならば、「動き」だろう。 その「動き」がなくなれば、身体では「死」と判断していいかと思う。 その「動き」は環境世界をもっと広げて考えれば、自然現象そのものだ。 
それで、例えば渋滞や床上浸水というものは、身体で言えば、病気だ。 
では、その病気をこの「身体の隠喩」で解決するには? インフラの整備、またはインフラを増設しないのであれば、滞らないように調節すれば、渋滞も床上浸水もなくなるわけで、「病気」というものをそのようなものであると捉えるとわかりやすくなってくると思う。 

私の生の師匠は、「身体を整えるのは、交通整理をするようなものだ」と言っていたのだが、全くその通りというわけだ。

そう考えると、私たちの生活する都市というものがとても大きな病気の原因になっているかと思われる。
街がなくて、完全に自然のままだったら、インフラも必要ないし、交通整理も必要なくなってくる。 
故に、街を大きくすればするほど、「身体の隠喩」で考えたら、私たちは病気に成りやすくなるわけだ。
自然環境からの影響を受けないようにして、都市化を進めれば進めるほど、我々は病んでいく。と言うことが出来るのではないかと。
エネルギーの作り方も、手に負えない毒物を使って製造し、爆発すればあっという間に死んでいくようなものを使っているようでは、より私たちは病気になりやすく、命は短くなっていくだろう。



とにもかくにも、身体と環境とが主客なく折り重なり、不可分な連続性の中で成り立っていると考えることが、今後の私たちの身体観、ひいては死生観としてとても重要であると私は切に感じているのです。 










そしてそれはただの観念ではなく、実際に感覚できるということを経験できるような舞台、ワークを提供していきたいと思っている。




コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Yasuchika

Author:Yasuchika
YASUCHIKA
舞踊家・俳優(+生躰研究家)


1999年より俳優を始め、2003年より踊り始め、2004年より、死んだら消える文化的かつ野性の身体観、生命観を学び始め、そのチカラを基とし、また蘇生させることを伴いつつ芸術表現へと転化させている。
2009年パフォーマンスグループKIUNJI(キウンジ)を立ち上げる。(2014 年より芸術企画として活動)
また2013 年より生躰研究家として「生きてるってどういうこと?」(=生因)や響命する身体を軸とし、身の持つ自然のチカラを活性させるワークショップや稽古会を行っている。
2017年9月舞踊家としての生前葬をソロ公演で行い、YASUCHIKAと改名し新たなスタートを切る。
また生躰研究家 金野泰史として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、舞踊家・俳優 YASUCHIKA、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


生躰研究家 金野泰史 稽古会 WorkShop(or lesson )案内はこちら


最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード