今頃?って話なんだけど・・・





ある作家のエッセイで、約四年前くらいに我が敬愛する詩人、谷川俊太郎さんが生命保険会社のCMの為に詩を書き下ろしたことに対しての批評を読む。 


そこにはこんな様なことが書いてある。



生命保険のCMに自作の詩を寄せているということは、言葉というものへの害意なき犯罪であり、また言葉の資本への恥ずべき全面降伏である。

空々しく美しい人間賛歌の体裁であり、単なる資本賛歌に過ぎない。

詩人も資本の使徒になりつつある。 




この考えの基には、芸術家は資本と戦うもの、または逃亡し続けるものであり、資本や市場はそれ自体の構造に問題があり、その問題はあらわになってきており、今や限界が来ていて、多くの犠牲を生んでいるとの言うことだと思う。(まあこれは私の見解だが)


他にも少し調べてみたところ、このCMに対して違和感を覚えている方もいるようだ。



で、私がこのCMを見た時の感想を振り返ってみる。 随分前のことなので、正確ではないと思うが、こんなことを思っていたように思う。


確か、このCMが流れた時、私はお金が嫌いだったために、「それは違う」と思った気がする。

(それから、田口トモロヲ! とも思った笑)

でも、その詩が谷川さんだと知る。 戸惑ったし、お金についても再度考えさせられたと記憶している。




だから、このCMに対しての上記の批評の考えも、想いも分かる。 


で、再度見返してみることにした。









保険にはダイヤモンドの輝きもなければ、

カラーテレビの便利さもありません。

けれど目に見えぬこの商品には、人間の血が通っています。

人間の未来への切ない望みがこめられています。


愛情をお金であがなうことはできません。

けれどお金に、愛情をこめることはできます、

生命をふきこむことはできます。

もし愛する者のために、お金が使われるなら。


日本生命 ~愛する者のために~  

谷川俊太郎














こうして再度見返してみると、このCMのオフォーが来て、このCMの為に谷川さんが詩を書き下ろした経緯は分かりかねるが、なんだろう・・・むしろこれは資本に対して戦っているとも言えるのではないだろうか? もしくは上手に付き合っていこうと言っているのではないか? むしろ資本よりも大事なものがある、その前に見直してみることがあるというメッセージではないだろうか? 

それを不特定多数の人々が見るCMに乗せることは、とても意義があることではないか? 

そんなことを思ったのです。 



「愛情をお金であがなうことはできません」


「もし愛する者のために、お金が使われるなら」 



こんなにも確かに、条件を言っている。



そして今の世の中にお金は必要不可欠のもの。 


それから、この日本に居て、お金から逃れえる人がいるのでしょうか? 




お金に対して、まだ少し拒絶反応がある私ですが、お金の捉え方としてこんな話を聞いて、今はだいぶ考え方が変わりました。



「お金というのは道具なんだよ。


道具なんだから使い方の問題で、


例えば、包丁。 


包丁があるから、美味しい料理が作れる。 


でも、包丁を料理ではなく凶器として使ってしまったら? 



その時、包丁それ自体に罪はあるだろうか? 包丁それ自体が悪なのだろうか? 




お金も同じ、道具なんだよ。



それ自体に罪も、悪もない」






ちなみにこのCMの製作を手がけた制作会社もいい会社のように思う。

http://www.tokyoseisakujo.com/works/works.html



でも一つこのCMでいかんのは、(まあこれはクライアントの要望だから致し方なくの部分があるかと思うが)詩を朗読しているナレーターが、この会社のスローガンと会社名を、詩の続きのように言っていること。

そこは違う人が言うか、もしくは一度切って、言い方を変えるか、したほうが良かった。 


その辺、明○安○生命の方がいいCMだと思う。 



せっかくいいCMなんだから、そこで欲出したら駄目駄目! 




まだ言いたいことはあるけど、この辺で。 












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プロフィール

Yasuchika

Author:Yasuchika
YASUCHIKA
舞踊家・俳優(+生躰研究家)


1999年より俳優を始め、2003年より踊り始め、2004年より、死んだら消える文化的かつ野性の身体観、生命観を学び始め、そのチカラを基とし、また蘇生させることを伴いつつ芸術表現へと転化させている。
2009年パフォーマンスグループKIUNJI(キウンジ)を立ち上げる。(2014 年より芸術企画として活動)
また2013 年より生躰研究家として「生きてるってどういうこと?」(=生因)や響命する身体を軸とし、身の持つ自然のチカラを活性させるワークショップや稽古会を行っている。
2017年9月舞踊家としての生前葬をソロ公演で行い、YASUCHIKAと改名し新たなスタートを切る。
また生躰研究家 金野泰史として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、舞踊家・俳優 YASUCHIKA、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


生躰研究家 金野泰史 稽古会 WorkShop(or lesson )案内はこちら


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