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ヴェニスの商人の資本論


電車の隣りの席に座り込んだ、五分刈りに小太り、ニキビをこしらえ分厚い眼鏡をかけた高校生であるだろう少年が、走り込んで座ったために息を切らせながらも颯爽と取り出し読み始めた本が「ヴェニスの商人の資本論」だ。



私は「マルクスの資本論」も読んだことがないので、内容はイメージの域を出ないが、小難しい本であることは間違いないだろう。



高校生の彼を横目にガッツリみながら、彼がその本に行き着ついた経緯、そして現在、そして将来どうなって行くのかが私には興味深かった。


そして彼が降りた駅は霞ヶ関…(笑)官僚にでもなるのだろうか?




私なんかは、高校2、3年生の時だろうか? 初めて小説というものを読んだ位で、まったく本を読まない、本なんてまともに読んだためしがなかった少年だった。
あの文字の羅列にうんざりして、読書感想文も粗筋だけ読んで適当に書いたものだ。


今となっては、私も小説を読み、昨今は思想、論文系のものを多く読むようになったが、読書初めは小説ばかり読んだものだ。

小説家達がかっこよく思えて、エッセイに手を出して彼らの思想、哲学を探ってみたり、カッコいい登場人物に憧れて、その人物気取ってみたり、虚構世界で繰り広げられる物語に入れ込んで、現実の世界にそのロマンチシズムの片鱗を掴みとろうとして街を彷徨ってみたりもしたものだ。
(現在もその気は十分に持ち合わせてはいるが笑)


そんなことを思い出していたせいか、その出会った高校生の彼も、資本論など読まず、存分に想像力を喚起させるような小説でも読めばいいのにと思ったのだ。

(高校生で資本論を勉強するなんて、無論素晴らしいことであるのだが)


彼にとって「ヴェニスの商人の資本論」がたまらなく想像力を働かせるような本だったとしたら、それはそれで良いのだが。

もしかして、彼がこの限界を垣間見せる資本主義が台頭する世の中を変革するために、現在の資本主義をしっかりと把握し、新たな道を模索しているのなら最高だと想像してみるも、残念ながらそれは余りにも彼を買い被った空想に過ぎないと思ってしまう。


それよりも、この資本主義の世の中をサバイブして行くために、勉強していると想像した方がリアリティはあるだろう。



しかし、高校生にも関わらず、走って空いている席に座り込むのは頂けない。

立たんかい!少年!


しかし、スーツ姿のいい大人達がラッシュ時に席取り合戦をするために必死で走る姿は、何とも情けなくみっともない。


そんな大人ばかりだから、少年も夢を持てないのだろうと思ってしまう。


格好いい大人はどこへ…


と言っている私は、はたして格好いい大人だろうか?


その前に、まだ大人になっていないかも(笑)


いや~由々しき問題だ!














因みに紹介しておきます。

【ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫) 岩井 克人】




ご興味ある方はどうぞ(笑)








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プロフィール

Yasuchika Konno

Author:Yasuchika Konno
金野泰史
舞踊家/俳優/生躰研究家


1999年俳優を始め、2003年から舞踊(舞踏)・俳優・パフォーマンスアーティストとして活動を開始。音楽家、美術家、写真家など他ジャンルのアーティストとのコレボレーションも多々行う。
底辺から頂点に自身が日々稽古して探求する中で捉えた身体観、身体感覚を通しての表現を追求している。
2009年パフォーマンスグループ【KIUNJI】(キウンジ)を立ち上げる。現在は芸術企画【KIUNJI】としている。
また生躰研究家として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、金野泰史、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


公式サイトはこちら


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