身体構え




私の好きな映画「雨あがる」を久々に観ました。


主人公の役柄もさることながら、奥さんの役柄の素晴らしいこと。 



奥さんが、自分よりも身分の高い侍相手に、自分の旦那を立てるために啖呵を切るんですが、それがカッコいいことカッコいいこと! 



それで、身体構え。 


「心技体」という言葉がありますが、「雨あがる」を観ていて感じたことは、身体構えがしっかりしているからこそ、心構えがしっかりするのだろうと思いました。 

これは相互に影響を及ぼすものですが、特に奥さんを観ていると、身体構えがしっかりしている。所作も滞りなくしっかりしている。 着物も乱れることなくしっかりと着ている。 

そういう日常の身体構えをしっかりしているからこそ、啖呵を切る場面も、素晴らしい啖呵が切れたのだと思うのです。

それから、着物。 この服も身体構えをしっかりとするための補助の役割を担う構造になっていると感じました。

現代の人は着物を着ると窮屈に感じたり、締め付けを感じたりすると思うのですが、よく聞くのは、それによって気が引き締まるとか、シャキッとするとかの感想です。 

そういう感想が聞けるのはやはり日本人としての文化的身体感覚が残っているんだと嬉しくなるものです。


しかし、やはり着物を普段着なくなってしまった現代人に、かつての日本人の心構え、身体構えがなくなってしまったというのは、酷な話であるとは思います。  


今は落ち着いたとおもうのですが、着物ブームが来ていましたが、たまに夏のイベントごととかで、着物姿の若者をみるのですが、 特に男どもが全く和服を着れていないのが目に付き情けない限りだと感じてしまうのですが、それもちゃんと教えてあげる大人が回りにいないのだろうなと推測すると、可哀相だとも感じてしまいます。



着物においての重要な身体構えの感覚の一つに、腹腰が決まる感覚があるんですが、これまた若い男どもの話になるのですが、まったく腹腰が決まっていない。 

特に電車での風景で、尻をずり落として座っている男が多い。 

私なんかは、一言物申して、「しっかり座れや」と言いたくなるほどです。 

本当にダサい! 凛々しさのかけらもビシッとした感じのかけらもない。 情けない。 



なんだか、こんなことを言っている自分が、かなりのおっさんへ移行しているんだなと感じ入ります(笑)



話がずれて言いたいことを忘れてしまいましたが、とにかく身体構えは重要だと思います。 

最近はセルフコントロールをする際に、考え方などの精神的、思考的アプローチが多いと思いますが、それよりも「身体構え」というアプローチを取り入れたほうが、もっと効果は上がるかもしれないと思いました。 


初めは固く観えるかもしれませんが、慣れてきて、なじんでくると、固さはとれ、むしろ柔らかくなってくる。 

そうすれば、考えも柔らかくなる。 


まあ、そこまで行くには時間は掛かりますけど、とっても重要なことの一つとして、注目されていって欲しいと思います。






よければ、「雨あがる」を観ていない方は、ちょっと身体構えの視点をもって観ていただければと思いました。







改めて日本文化の良さを感じ入る映画です。




   

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プロフィール

Yasuchika Konno

Author:Yasuchika Konno
金野泰史
舞踊家/俳優/生躰研究家


1999年俳優を始め、2003年から舞踊(舞踏)・俳優・パフォーマンスアーティストとして活動を開始。音楽家、美術家、写真家など他ジャンルのアーティストとのコレボレーションも多々行う。
底辺から頂点に自身が日々稽古して探求する中で捉えた身体観、身体感覚を通しての表現を追求している。
2009年パフォーマンスグループ【KIUNJI】(キウンジ)を立ち上げる。現在は芸術企画【KIUNJI】としている。
また生躰研究家として「身体との付き合い方WS」も定期的に開催している。

このサイトでは、金野泰史、【KIUNJI】企画の公演情報や自身のステイトメント、また生躰研究家としての身体観や考え方をブログ形式でお知らせします。


公式サイトはこちら



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